前の作品と空気の色を変えたいので、安易なアイディアは採用できんのです。
というわけでまだネームに取り掛からずに原案を練り込んでいます。
私の場合、瞬発力をもったアイディアっていうのは力強い反面ワンパターンになりますから。だから、その原型をいかに練り込んでいくかで変えなければいけない。でも練り込みすぎると腐っちゃう・・・たとえば、描きたいことが多くなりすぎて収束がつかなくなる・・・事態になりますから。
漫画って、難しいですね。
今回は、私の尊敬する漫画家の短編集について描きます。
僕らの変拍子
冬目景氏の初期の作品を集めた短編集です。1992年から1994年にかけての作品です。
さっぱりと話を描いているのに、独特の切なさや、物悲しさを内包しているというのが冬目氏の作品の印象です。
最近こういった作品はまあまあ数を増やしてきましたが、はたしてこれら個性的な作品群が当時どういう目で見られてきたのか、それはそれでかなり興味があります。
さて、絵に関してですが、今現在の冬目氏は、優男や妖しい女性の描き方がとても目を引きますが、この本ではお年頃の少しやんちゃが薄れた青少年や絵にかいたようなかわいい少女が多いです。作風もコメディの要素が入っているものが多いためでしょうか。どちらにしろ古い作品は絵が荒く、時間がたつにつれて安定して行くのがわかります。
スクリーントーンはあまり使っていません。陰影、感情、質感、などは線での表現が多くなります。
個性派と呼ばれる氏の作品ですから、読む人を選ぶようです。しかし、確実に良いです。面白いではなく良いんです。グッときます。特に読み込んでいくとだんだん味が出てきたりします。そこらへんもたまらなく良いです。
今回参考にした本
冬目景「僕らの変拍子」株式会社幻冬舎、2002年、p.224。
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